令和2年度過労死等の労災補償状況~精神障害の支給決定件数が過去最多608件に~
令和2年度「過労死等の労災補償状況」
厚労省から令和2年度「過労死等の労災補償状況」が公表されました。
精神障害にかかる労災の認定状況をみると、請求件数は2,051 件(前年度比9件減) で、支給決定件数は608件(前年度509件)と大幅増となり、2年連続で過去最多となっています。
自殺の支給決定件数は横ばい
うち未遂を含む自殺の請求件数は前年度比47件減の155件でしたが、支給決定件数は81件とほぼ横ばいになっています。
業種別の件数
業種別に請求件数をみると、「医療、福祉」の488件が最も多く、次いで「製造業」(326 件)、 「卸売業 小売業」(282件) の順となっています。
支給決定件数では「医療、福祉」の148件が最も多く、次いで「製造業」(100 件)、「運輸業、郵便業」「卸売業、小売業」 (ともに63件)の順となっています。
年齢別の件数
年齢別では、請求件数で最も多かったのは「40~49歳」の597件で、以下、「30~39歳」(490件)、「20~29歳」(448件) の順となっています。
支給決定件数では「40~49歳」が17 4件で最も多く、次いで「30~39歳」(169件)、「20~29歳」(132件)の順となっており、働き盛りの若い世代が大半を占めています。
時間外労働時間別の件数
また、支給決定件数を時間外労働時間別 (1カ月平均) にみると、「20時間未満」が68 件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」(56件)、「40時間以上~60時間未満」 (45件) の順となっています。
労災認定されている出来事の傾向
さらに、出来事別の支給決定件数では、多いものから「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」(99件)、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」(83件)、「同僚等から、暴行又は(ひどい) いじめ・嫌がらせを受けた」(71件)などの順となっています。