最低賃金引き上げに関する企業アンケート調査結果
中小企業の1割で正規雇用の増員を検討
東京商工リサーチは、今年度の大幅な最低賃金引上げへの対応をテーマに企業アンケート調査を実施しました。有効回答9,278社(大企業1,464社、中小企業7,814社)。
調査結果によると、最低賃金引上げによる影響について、8割以上(7,745社)の企業が「人員戦略に影響は与えない」と回答。この傾向は、大企業(89.7%)ほど顕著となっており、中小企業(82.3)とは7.4ポイントの開きがありました。
ただし、非正規従業員を削減する方針の企業も503社(全体の5.4%)あり、その傾向は企業規模別にみると大企業よりも中小企業で多くなっています。
また、正規従業員については、914社(全体の9.8%)が増員するとしたのに対し、削減するとした企業は287社(全体の3.0%)にとどまっています。企業規模別にみると、増員するとした中小企業(10.4%)が、大企業 (6.7%)を3.7ポイント上回っており、雇用確保に積極的な姿勢が窺えます。
新型コロナウイルス感染拡大前には中小企業においては人手不足が続いており、同社では「業績が堅調な企業では、派遣社員やパートなど時給で雇用する非正規から正規雇用にシフトし、雇用の安定に動くことも想定される」と分析しています。