非正規雇用で働く女性に関する調査
日本労働組合総連合会(連合)が「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」の結果を公表しました。
その調査内容や非正規雇用の選択理由や就業意識、女性の活躍に思うことなどとは、どのようなものなのかみてきましょう。
不本意といえる非正規雇用という働き方
この調査は、全国の非正規雇用で働く20〜59歳の女性1,000人を対象に、就業実態や生活・就業意識などを調査しています。非正規雇用という働き方の選択には性別役割分業意識が深く根差しており、不本意ながら非正規雇用で働き、有期契約、嘱託社員に仕事のやりがいを求めた就業意識を持つ人が多いといえます。
【非正規雇用を選んだ理由】
- ある程度労働時間や労働日を選べるから
- 通勤時間が短い
- 家事に時間が必要だから
- 育児や介護に時間が必要だから
なお、配偶者や子がいる人の「家事に時間が必要だから」「育児や介護に時間が必要だから」が全体よりもかなり高く、また、 配偶者のいる人はいない人に比べて「就業調整(年収や労働時間の調整)をしたいから」が高くなるなど、固定的性別役割分担による女性への家庭責任の偏った考え方が影響している結果となっているといえます。
また、雇用形態別にみると、有期契約・嘱託社員や派遣社員では 正社員・正規職員として働けるところがなかったから」が、それぞれ31.5%、25.2%と高くなっており、不本意ながら非正規雇用で働いている人の多いことが分かります(図1)。
働き方の選択のこだわりとは?
仕事を選ぶ上でのこだわりについてでは、下記のような結果がでています。
- 自分のやり方・ペースで仕事がしたい
- 収入を増やしたい
- やりがいのある仕事をしたい
雇用形態別では、有期契約・嘱託社員や臨時・非常勤公務員ともに「やりがいのある仕事をしたい」「仕事の中で専門家として能力を発揮したい」の傾向となっています。
正社員志向をもっている人では「収入を増やしたい」「自分のやり方・ペースで仕事がしたい」傾向が高く、「やりがいのある仕事をしたい」が69.8%になり、正社員志向がない人に比べて大幅に高くなっています (図2)
非正規雇用が思う女性の活躍とは?
「女性の活躍」について思うことでは、「女性だけに働くことと家事・育児の両立を求める風潮に疑問を感じる」(49.9%) が最も多く、次いで「非正規雇用の女性の働き方にも目を向けてほしい」(32.7%)、「色々な制度があっても知る機会がない」 (28.2%)の順となっています。 前回の2017年調査との比較では、 特に「色々な制度があっても知る機会がない」「女性だけでなく、男性にもっと当事者意識を持って*ほしい」などの項目でポイントが上昇しています(図3)。