イベント管理システムを開発したきっかけ

こんにちは、ライターのMです。近年話題となっているQRコード型入退場管理システム。スマイルトラッキングは、来場者2万人が集まるような大規模イベントにおいて、参加者の入退場を効率的に管理するシステムとして注目を集めています。そこでこの開発を行っている技術担当者に、開発の背景やきっかけ、そしてその過程での苦労や工夫などについて、お話を伺います。それでは、開発のきっかけなどについて詳しくお聞きしていきましょう。よろしくお願いします。

開発のきっかけ

── スマイルトラッキングの開発に至った経緯を教えていただけますか?

開発担当者:このシステムは、中小企業家同友会という経済団体からの依頼がきっかけで生まれました。毎年開催されている新卒者向けの「就職サミット(合同企業説明会)」で、参加者の入退場をもっと効率的に管理できるシステムが求められていました。従来の方法ではカーボンコピー用紙を使用していたため、文字が読みにくかったり、紙を紛失したり、水に濡れてしまうといった問題がありました。これらの問題を解決するために新しいシステムが必要とされていたのです。

この依頼を受けた時点で、私たちスマイルヴィジョンは既に勤怠管理システム「スマイルワーク」を開発しており、そのシステムが広く利用されていました。クライアントは、「出勤や退勤を管理できるなら、入退場も管理できるはず」と考え、我々に相談してきたのです。

── なるほど。それでは、勤怠管理システムをそのまま応用してスマイルトラッキングを開発したのでしょうか?

開発担当者:いいえ、全く新しい挑戦でした。イベント管理の知識が乏しかったため、初めは戸惑いましたが、これは非常に興味深いプロジェクトだと思い、新たに開発に取り組みました。具体的には、参加者が事前にオンラインで申し込み内容を記入し、個別のQRコードを発行しました。そのQRコードを出展者ブースで読み取ることで、参加者情報が表示される仕組みを作り上げました。

システムを導入した結果、「とても便利になった」「情報がデータとして保存されるので紛失するリスクがなくなった」といった多くの好評の声をいただきました。そのイベント以降も、毎年スマイルトラッキングを利用していただけるようになり、とても嬉しく思っています。実は毎年イベントにも開発責任者と参加して実際に現場の人に声を聴きながら、毎年バージョンアップしているんです。現場の人に「こんな機能があったらいいのに!」と言われたことを、「わかりました」といってその場で開発したこともあります。

── その場でですか?それはとんでもなく迅速な対応ですね。(笑)

QRコードにした理由

── 勤怠管理システムではICカードを使用していますが、スマイルトラッキングではなぜQRコードを採用したのでしょうか?

開発担当者:QRコードを採用した理由は、参加者が当日にスマホ一つ持ってくるだけで済むからです。参加者はQRコードを表示し、受付で読み取ればすぐに入場が完了し、受付のプロセスが非常にスムーズになります。また、その場で名札や参加証を印刷することもできるため、参加者にとっても便利です。

ICカードを使用する場合、各ブースにICカードリーダーを設置する必要がありますが、QRコードならスマホで簡単に読み取れるため、特別な機材が不要です。スマホはほとんどの方が持っているので、全体的なコスト削減にもつながりました。

アプリ開発からの転換

── 最後に、一番苦労した点を教えて下さい。

開発担当者:当初、スマイルトラッキングはアプリ形式で開発を進めていました。アプリを採用した理由は、QRコードの読み取りシステムを簡単に作成でき、開発の自由度が高いからです。しかし、実際に使用してみると、アプリをダウンロードすることに抵抗を感じる参加者が多く、特にウイルスの懸念などでダウンロードを嫌がる方もいらっしゃいました。

そのため、思い切って方向転換し、アプリを使用せずにQRコードの読み取りができるWebベースのシステムを開発しました。この方向転換により、システム全体を1から再構築する必要があり、開発に時間がかかりましたが、最終的により良いものが完成しました。現在のシステムはダウンロードの問題がなくなり、出展者様からも非常に好評をいただいています。

── 大変興味深いお話でした。今日はお時間をいただきありがとうございました。

開発担当者:こちらこそありがとうございました。

関連記事

イベント主催者の業務をもっと楽に。現在開発中の新機能

PAGE TOP