【インタビュー】手書き用紙の相談票はもういらない。進学・就職系イベントのタイパを最大化

進学・就職系イベントの現場で、長年の課題となっていたアナログな相談票。来場者と企業の双方に負担を強いる「紙の運用」をどう変えるのか。システム開発を手がけるスマイルラボの担当者に、解決のヒントを伺いました。

――進学・就職系のイベントでは、今も「紙」が主流なのでしょうか?

スマイルラボ(以下、ラボ): はい。多くの会場では、複写式の「個別相談票」が使われています。しかし、これが大きなネックになっています。来場者が3社、4社とブースを回るたびに、住所や氏名を何度も書き直さなければならないからです。 また、受け取る企業や学校側も、複写の枚数が重なるにつれて文字が薄くなり、判読できずに困るという声が多くありました。

――そこをデジタル化するのが『スマイルトラッキング』ですね。

ラボ: その通りです。実はこのシステム、もともとは**大学生向けの合同企業説明会(就職サミット)**で、個別相談票を渡す煩わしさを解消したいという相談から生まれたものなんです。 来場者は事前にWebで登録してQRコードを取得するだけ。当日はそのQRを各ブースで提示すれば、担当者の端末にプロフィールが即座に表示されます。専用アプリは不要で、スマートフォンの標準ブラウザだけで動作するのが大きな強みです。

――イベント運営において、データの扱いはどう変わりますか?

ラボ: 劇的に変わります。アナログな運用では、終了後に膨大な紙のデータを手作業で「打ち直し」してリスト化していましたが、その手間とコストがゼロになります。 システムでは、誰がどのブースをいつ訪れたかというデータがリアルタイムで蓄積されます。企業側は、自社ブースに来た人のリストをCSV形式ですぐにダウンロードして、その日のうちにフォローアップを開始できるんです。

――就職・進学イベントならではのユニークな活用法はありますか?

ラボ: 「回遊率の向上」に貢献できます。過去の就職イベントでは、3社回ればクオカード、5社ならさらに追加といった特典管理をシステムで行いました。出口でQRを読み取ると「あと1社で特典がもらえますよ」といった案内ができ、1人あたりの訪問ブース数を増やすことに成功しています。 また、人気ブースの混雑を避けるための「時間枠指定の事前相談予約」を、マイページ機能のカスタマイズで追加することも可能です。

――年間で複数の会場を回るシリーズイベントの場合、費用が心配です。

ラボ: その場合は、1回ごとに40万円を支払うよりも、月額8万円の「年間利用プラン」が非常にお得です。年間96万円(+初期費用)で、毎月イベントを開催すれば、1回あたりのシステム費を約8万円にまで抑えられます。 サーバーもAWS(クラウド)を利用しており、イベントがある繁忙期だけスペックを上げ、休止期間は最低限の維持費に下げるといった柔軟な運用で、無駄なコストを徹底的にカットできます。

――最後に、開発元としてのこだわりを教えてください。

ラボ: 私たちは創業21期目の開発会社です。経験豊富だからこそ、操作マニュアルなども漫画を使って、ITに詳しくない現場のスタッフさんや来場者が直感的に理解できるよう工夫しています。進学・就職という人生の節目をサポートする大切なイベントを、最新の技術と「分かりやすさ」で支えていきたいと考えています。

――インタビューは以上です。本日はありがとうございました。

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