イベントや展示会は、新たなビジネスチャンスが生まれる絶好の機会です。しかし、出展者にとって、来場者との名刺交換、膨大な情報の整理、そして記憶が新しいうちの迅速なフォローアップは、長年の課題でした。限られた時間の中で、いかにして質の高い見込み顧客(リード)を獲得し、次へと繋げるか。この普遍的な悩みに、テクノロジーが新たな答えを提示しようとしています。
今回、私たちが注目したのは、イベント管理システム「スマイルトラッキング」が提供する「出展者機能」です。この機能は、従来のリード獲得プロセスを根底から変えるポテンシャルを秘めていると言います。その価値の核心に迫るべく、開発担当者にお話を伺いました。
特別な機材は不要。手持ちのスマホが強力な営業ツールに
――まず、スマイルトラッキングの「ブース出展者機能」とはどのようなものか教えてください。
担当者: はい。これは展示会の各ブースで活用できる、QRコードスキャンおよび来場者データ管理システムです。最大の特徴は、導入のハードルが非常に低い点にあります。
――具体的にはどのような準備が必要なのでしょうか?
担当者: 実は、特別な専用機材は一切必要ありません。 スタッフの方が普段お使いのスマートフォンやタブレットがあれば、Webブラウザから指定のIDとパスワードでログインするだけで利用可能です。専用アプリのインストールすら不要で、スキャンボタンを押すだけで即座に来場者のQRコードを読み取ることができます。
スキャンした瞬間に「相手のニーズ」まで把握できる
――QRコードを読み取ると、どのような情報がわかるのですか?
担当者: 単なる連絡先情報の取得に留まりません。スキャンすると、来場者が登録時に入力した名前、会社名、メールアドレス、電話番号等がその場で画面に表示されます。さらに、登録フォームで回答されたアンケート内容や質問項目の回答もリアルタイムで確認できるのが強みです。
――アンケート回答まで見えるのは、現場のスタッフにとって大きな助けになりそうですね。
担当者: おっしゃる通りです。例えば、相手がどのような資格を持っているのか、興味のある分野や業種、出身校といった情報を事前に把握した状態で会話を始められます。また、「VIP専用フォーム」や「メディア向けフォーム」など、どの窓口から申し込んだかというカテゴリーも表示されるため、相手に合わせた最適なアプローチが可能になります。

「商談メモ」と「即時データ化」がフォローアップを変える
――接客中のメモなどもシステム上で管理できるのでしょうか?
担当者: はい「商談メモ機能」をご用意しています。自社製品への興味度合いや「後日連絡を希望」といった具体的なやり取りを、来場者ごとに個別に入力できます。イベント終了後のフォローアップにおいて、このメモが非常に役立つと好評をいただいています。
――イベント後のデータ活用についても教えてください。
担当者: 自社ブースを訪問してくださった方のリストは、マイページからいつでもCSV形式でダウンロードが可能です。イベントが終わってすぐに、お礼メールの送信やマーケティング施策にデータを活用できるスピード感があります。
CSVエクスポートで、イベント直後からマーケティングを開始
――溜まったデータは、その後どのように活用できるのでしょうか?
担当者: 自社ブースを訪問した方のデータは、いつでもマイページからCSV形式でエクスポートできます。イベント終了後すぐにこのリストをダウンロードして、お礼メールを即座に一斉送信したり、自社のリード管理システムに統合して営業活動を開始したりといった、スピード感のあるマーケティング展開が可能です。
――出展ブース側でここまでリアルタイムに、かつ自由にデータを扱えるのは画期的ですね。
担当者: そうですね。入り口の管理だけでなく、出展ブース側が主体となって情報を表示・記録・ダウンロードできる点こそが、このシステムの強みだと言えます。
出展者が「自らコントロールできる」唯一無二のシステム
――他のイベント管理システムと比較して、決定的な違いはどこにありますか?
担当者: 多くのシステムは、入り口での入退場管理にQRコードを利用するだけですが、スマイルトラッキングは「出展ブース側が主体となって、リアルタイムで情報を表示・記録・ダウンロードできる」という点にこだわっています。出展者が自分たちの手でここまで完結できる仕組みは、おそらく他にはない唯一無二の機能だと言えるでしょう。
――インタビューは以上です。ありがとうございました。

今回のインタビューを通して、スマイルトラッキングの「出展者機能」が、単なるデジタル名刺交換ツールではないことです。それは、「リアルタイムな情報アクセス」「商談の質の向上」「効率的なデータ管理」、そして「迅速なフォローアップ」という、イベント出展における一連のプロセスを革新するソリューションでした。
来場者の情報をその場で把握し、パーソナライズされた対話を行い、熱量の高いメモと共にデータを蓄積し、イベント終了後すぐに次のアクションへ繋げる。この一気通貫の体験は出展者がイベントに投じる時間とコストの対効果(ROI)を最大化するための強力な武器となるに違いありません。イベント出展の常識は、今、まさに変わろうとしています。